私の思い~きっかけとタイミング~
恵太side
思い切って電話をして良かった。

俺は先ほどまでの事を思い返してみる。

スマホの前で一度深呼吸をすると、電話番号を震える手で押していく。

3度ほど間違えたが、やっと最後の数字を押す事が出来た。

長い長い呼び出し音。

「あれ?」

俺はなかなか出ない電話の相手に諦めかけたその時、向こうの声が聞こえた。

俺は慌てて相手を確かめた。

「新田さんですか?」

すると向こうの彼女もこちらを確認してきた。

「はい。あの…、森崎先生ですよね?」

確かに彼女の声だ。

とても警戒しているような声。

「あのう、CTの結果で何かあったんでしょうか?」

そう聞いてきた彼女に俺はびっくりした。
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