私の思い~きっかけとタイミング~
「だから今日の約束もこっちが一方的に押し付けたけど、いつ断って来るか冷や冷やしていた。さっき新田さんの顔を見るまで心配で…。」
弱々しい顔を見せる井上さん。
私が自己防衛の為にしていた何気ない事が、こんなに人に影響を及ぼしているなんて、全く気が付かなかった。
「ごめんなさい…。」
私は井上さんに聞こえるか聞こえないかの声で言った。
「何で新田さんが謝るの?」
井上さんは車を止めた。
ここは郊外の大きな公園。
動物園や植物園も併設されている。
とても一日じゃ全エリアを回り切れないだろう。
「会社の中にばかりいるとストレスが溜まるだろう?たまにはこうやって外に出ないとな。」
きっと私に気を使ってくれているんだろう。
実は井上さんは、とっても気遣いの人なのかもしれない。