私の思い~きっかけとタイミング~
「こっちからゆっくり歩いて行こうか。」

二人で連れ立って歩き出す。

看板で見て思っていたよりも、動物園は近かった。

「うわっ。」

私はキリンの前で立ち止まった。

思いきり上を見上げる。

「こんなに大きかったんだ。」

私は思わず声を出す。

その様子を面白そうに笑いながら、井上さんは言った。

「キリンも良いけど、新田さんを見ている方が面白いかもしれない。」

「私は動物並みって事ですか。」

わざと頬を膨らませ、怒ったような顔をする私。

「ああ、ごめん。そういう事でないよ。」

焦ったような井上さんの顔。

「冗談ですよ。そんなに気にしないで下さい。」

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