私の思い～きっかけとタイミング～
「帰りにショッピングセンターに寄っても良いかな。」

帰る途中、井上さんはそう言った。

どうもネクタイが欲しいらしく、それを私に見立てて欲しいと言う。

「私、そんなにセンスないですよ。」

私は井上さんに首を振る。

「自分で選ぶと、どうしても似たようなデザインばかりになってしまうんだ。だから新田さんに俺に似合いそうなネクタイを選んで欲しくってさ。」

井上さんは照れくさそうに笑った。

車を立体駐車場に止めて、時計を見ると4時。

これから買い物か～。

ちょっと疲れたな。

出来れば休憩を兼ねて、お茶でもしたいところだな。

そんな事を思いながら、井上さんの後を追う。

ショッピングセンター内のカフェの横を通り過ぎてしまった。

残念。

恨めしそうにカフェから視線を前に移す。
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