私の思い~きっかけとタイミング~
こんなに奥まで何も考えずについて来てしまって、帰りは大丈夫だろうか。
ふとそんな心配が頭をよぎる。
だから方向音痴の私は大きな病院が苦手なのだ。
「先生をお呼びしてきますので、ちょっと座ってお待ち下さい。」
そう言うと職員さんは総合受付の方へ向かって戻って行った。
私はCTと書かれた小さな受付の横にある椅子に腰を掛けた。
少し薄暗く、静かな場所。
いかにも病院という雰囲気。
私は初め緊張しながら待っていた。
「あれ?もう30分過ぎてる。」
少し待ちくたびれた私はスマホを確認する。
こんな時間だから、てっきり待ち時間もなく、すぐに検査してもらえると思っていたのに。
全く名前を呼ばれない。
私以外に待っている人も居ないのにな。