私の思い~きっかけとタイミング~
「さっ、行きましょう。」
私はムッとした顔をして、その場を離れる。
「あの…。」
森崎先生が何か言いたそうだったが、無視して歩いて行った。
つかつかと歩いて行く私。
「おい、新田さん」
私を呼ぶ井上さんの声に立ち止まる。
「さっきの人は…。」
立ち止った私に、井上さんは並ぶ。
「元カレ…かな?」
聞きにくそうに井上さんは言った。
「はっ?」
私は一瞬何を言われたのか分からなかった。
もう一度頭の中で、井上さんのセリフを再生してみる。
「ちっ、違いますよ。本当にこないだ行った病院の先生です。初めて井上さんに夕飯を誘われた時に…。」