私の思い~きっかけとタイミング~

静かにそういう井上さん。

「でもネクタイは…。」

私は戸惑いながら聞く。

「今の新田さんはそんな気分じゃないだろう?」

心配ないよと言わんばかりの井上さんの笑顔。

「…ごめんなさい。」

私はそれだけ言うだけで精一杯だった。

「構わないよ。家まで送る。」

井上さんはもう駐車場に向かって歩き出していた。

車に乗ってから、私達はずっと無言だった。

私は何を話してよいか分からなかった。












< 132 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop