私の思い~きっかけとタイミング~
「嬉しいと言うより、びっくりしたと言うのが本音で…。」

そして私はその人が社内で仕事が出来て女性にモテるのだが、元々は苦手な印象があった事を話した。

「実は今日、その人に誘われて出掛けたんです。でも…。」

さっきまでニコニコしていた先生夫婦の顔が真顔に変わっていく。

「同じ場面を見ても、思った事が違ったんですよね。」

私は動物園の猿山の事を思い出していた。

奥様はうんうんと頷くと、私に笑いかけた。

「無理する事はないと思うわ、美紗ちゃん。」

そして山本先生がとどめを刺した。

「もしかしたら、その人とは縁がないのかもしれないね。」

こないだからうすうすだけど自分が感じていた事を、まさに言葉にされたような気がした。

やっぱりそうなのかな。

私は頬杖をついた。

「何か自分の気持ちが分からないんですよね…。」

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