私の思い~きっかけとタイミング~
そういう私に山本先生は言った。

「美紗ちゃん、そういう事は頭で考える事ではないんだ。きっと自分でも気が付かないうちに心が動き、そして行動に出るんだと思う。そうならないのなら、それも美紗ちゃんの正直な反応なんだよ。」

私はハッとして顔を上げた。

やっぱり二人は私を温かい目で見てくれている。

「美紗ちゃんが正直に感じる事に逆らわないようにしてごらん。」

その時、私は一人の男の人の姿を思い浮かべた。

まだどんな人かも分からないのに…。

私の顔が赤くなった事に気が付いた奥様。

「正直に…と言われて、無意識に思いついた人でもいた?」

奥様はゆったりと微笑んで、先生を見る。

「美紗ちゃん正直にね。じゃあこの話は終わりだ。」

そこからはすっかり話題が変わった。

そして私はほどほどの時間に先生の家を後にしたのだった。










< 147 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop