私の思い～きっかけとタイミング～

ちょっと余裕が出て来たのか、先生…恵太さんはぎこちないながらも笑顔を見せる。

「とにかく一度話がしたかった。もういつ頃からだったんだろう。」

そう言って恵太さんは遠い目をする。

そんな様子に引き付けられる。

「どういう事ですか？」

私は首をかしげる。

「シルバーの軽自動車とすれ違うたびに気になっていました。」

フッと目線を下げて、恵太さんは笑う。

「でも…、彼女が居らっしゃるんでしょう？山本先生が、けっ恵太…さんは女の人には困ってないような事をおっしゃっていました。」

初めて呼ぶ恵太さんの名前に思わず噛んでしまう。

緊張し過ぎだ。

すると、恵太さんは眉をひそめ、私を見る。

「それでやっぱり昨日、あんな反応をしたんだ。」

こっちに顔を乗り出して、やれやれという様な表情の恵太さん。