私の思い~きっかけとタイミング~
私は素直に頷いた。

「…山本先生は味方なのか敵なのか分からない…。」

何やらぶつぶつ言っている恵太さん。

私はその様子を見て、笑ってしまった。

そんな私に恵太さんはハッとする。

「実はこっちに1年ほど前に帰って来てから、彼女は居ない。」

恵太さんは真剣な顔を私に向ける。

「そうですか。」

私は冷静に頷いたつもりだけれど、ちょっとホッとしている。

「美紗さんこそ、昨日男の人とご一緒でしたよね?」

私はあっという顔をする。

「会社の上司です。実は…。」

正直に告白されている事を伝えようとした。

「知っています。」

恵太さんは静かだが、はっきりした口調でそう言った。

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