私の思い～きっかけとタイミング～

そして今度は電話を掛けた。

もちろんその相手は…。

「おう、恵太。どうした？」

山本先生のニコニコした顔が浮かぶ。

「今日み…、いや新田美紗さんと食事をしました。」

「ちゃんと彼女は恵太の気持ちを受け止めてくれただろう。」

結果が分かっていたような山本先生の言葉。

「先生…？」

「二人はお似合いだなって、嫁さんと言っていたんだ。」

ごまかすような山本先生の笑い声。

「あとは二人でやってくれ。俺達の役目は終わりだ。また二人で食事に来い。」

たったそれだけで、俺は山本先生との通話を終えた。

山本先生には何でもお見通しのようだ。

ありがとうございました、山本先生。

俺は柄にもなく、胸の前で手を合わせる。