私の思い~きっかけとタイミング~
「ごめんね、美紗ちゃん。旦那も美紗ちゃんの料理のファンだから。」
綾子さんは顔の前で申し訳なさそうに手を合わせる。
「大丈夫ですけど、そのもう一人の方は和食で良かったんでしょうか?」
私は気になって聞く。
普通は男の人は和食より洋食が好きだよね。
綾子さんの旦那さんは割と何でも食べてくれるけど。
「ん~。大丈夫でしょ。向こうが勝手について来るんだもの、文句は言わせないわ。じゃあ準備にかかろうか。」
そう言って私達はキッチンに立つ。
綾子さんの家のキッチンは広くて対面型なので、リビングを見ながら料理が出来る。
とても使いやすくて、羨ましい。
そろそろ用意が出来たかなと言う所で、インターホンが鳴った。
また結子ちゃんが出てくれたようだ。
玄関から男の人の声がする。
もちろん一人は綾子さんの旦那様、一登(かずと)さん。