私の思い~きっかけとタイミング~
私は顔から火が出そうだ。

「美紗ちゃん、恵太が悪さをしたら俺に言えよ。恵太をボコボコにしてやるから。」

言葉だけを聞いていると穏やかじゃないが、一登さんと恵太さんは笑っている。

この二人、本当に仲が良いんだな。

私と綾子さんも一緒に笑う。

そして杉浦家を恵太さんと私は後にした。

「どうぞ。」

私は車のロックを開け、恵太さんに乗るように促す。

「お邪魔します。」

その言い方にハッとする。

私はこないだ井上さんに笑われたっけ。

もうかなり昔だったような気がする。

するとなかなかシートベルトをつけようとしない恵太さん。

私はシートベルトをすると、助手席の方を向いた。

< 202 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop