私の思い~きっかけとタイミング~
そして私を至近距離で見つめるとニッコリと笑い、今度は一瞬の優しいキスをした。

「…行こうか。」

恥ずかしかったのか、シートベルトをつけると真っ直ぐ前を見る恵太さん。

私は恵太さんの家の方向を聞いて、そちらに向かって車を走らせる。

あれから一言も発しない恵太さん。

腕を組んで、深く腰を掛けている。

私は恵太さんを気にしている。

でも何も言葉が出て来ない。

「次を左折。」

突然恵太さんが口を開いた。

もう恵太さんの家の近くまで来ているんだろう。

新しい感じのするマンション。

ここが恵太さんの家か。

こんな田舎にマンションは少ない。

恵太さんに指示された空いているスペースに、私は車を止めた。
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