私の思い~きっかけとタイミング~
「…ドキドキしているのは私も一緒。でも運転中だから考えないようにしていたの。それはダメなの?」
私は何を考えているか分からない恵太さんの顔を眺めていた。
涙が出そう…。
俯いてしまった私。
「美紗?」
恵太さんにこんな顔見られたくない。
私は恵太さんの左手につながれている自分の右手を離そうとした。
ぎゅっと力が入る恵太さんの左手。
どうも離すつもりはないみたいだ。
するとエレベーターが止まった。
ドアが開く。
「行くぞ、美紗。」
私はその強引ともいえる恵太さんの力強さになすがままだった。
私を引っ張ったまま、自分の家であろう玄関ドアの前で恵太さんは立ち止まる。