私の思い~きっかけとタイミング~
さっき森崎先生は音が響くような事を言っていたが、そんなに気になる音でもない。
「はい、息を吸って。」
森崎先生の声がした。
その指示通りに一生懸命従った。
「息を止めて。…はい吐いて。」
そんな事が何回か繰り返された。
何となくペースが分かって来て、段々落ち着いてきた私。
そろそろ終わるのかな…と感じた時に、森崎先生が言った。
「はい、最後です。しばらく息を止めて下さい。」
私は深呼吸をすると、息を止めた。
頭の中で数を数えた。
…19、…20。
でもそれは思ったより長かった。
もうダメかも。