私の思い~きっかけとタイミング~
「呼べって言っているだろう。」
少し顔の距離を置いて、私の額にキスをする。
しばらく黙っている私。
私、ちゃんと言ったもの。
「…美紗もかなり強情なんだな。」
ポツリと恵太さんは呟いた。
「可愛げがない女だって、自分でもよく分かっているよ。でもこれが私なのだから仕方ないでしょ。気に入らないのなら…。」
慌てたように恵太さんは私の唇を自分の人差し指で押さえる。
「これから美紗の事をもっと知りたい。」
照れたような表情でそんな事をいう恵太。
ああ、この人には適わない。
私はそんな風に思ってしまった。