私の思い~きっかけとタイミング~
そう言ったよね。
ホッとする反面、何だか戸惑う私。
私には女としての魅力はないのかな。
そんな事を思ってしまう。
男の人の部屋にのこのこついて来て、普通なら何もないはずはないよね。
私はそばに置かれた自分の荷物を見る。
やっぱりこのまま理由をつけて帰ろうか。
あまりにも経験の少ない自分が嫌になってくる。
こういう時、みんなはどうしているんだろう。
でもまだ前に進んではいけないような気がするのは何でだろう。
そんな違和感も感じる。
私は自分の事で一杯一杯だったようだ。
「…美紗、美紗?」
いつの間にか戻って来た恵太は私にコーヒーを差し出す。
「ブラックで良かったよな。」