私の思い~きっかけとタイミング~
恵太side
どうやら美紗は眠ったようだな。

俺は美紗の方を向いた。

きっとあの様子じゃ、美紗は緊張して寝付けなかったろう。

だから俺は寝たふりをしたんだ。

「美紗。」

俺は美紗の頬をつないでいない方の手で撫でる。

ああ、抱きたい。

身体も気持ちも正直だ。

でもあの美紗の様子を見ていると、まだ早いような気がする。

俺達はまだ始まったばかりなんだ。

焦る事はない。

俺がこんな紳士的な事を考えるなんて、きっと一登は笑うだろう。

それでも良い。

俺は美紗を大事にしたい。

美紗の気持ちがちゃんと俺に向いた時で良い。
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