私の思い~きっかけとタイミング~
「いただきます。」
恵太は卵焼きを一口食べると、少し驚いたようだ。
「…甘くない。」
私はハッとした。
そうか、恵太さんに味付けの確認をすれば良かった。
「ごめんね。私の実家は塩味の卵焼きなの。」
私は慌てて言った。
「いや、これも美味しいよ。新鮮な味。」
にこりと恵太は笑う。
私はつられて笑ってしまった。
その後私達はお互いに支度をして、家を出る。
「美紗、またうちにおいで。」
駐車場でそれぞれの車に向かう前に、そう恵太は言った。
「うん。」
私は返事をした。