私の思い~きっかけとタイミング~
「…ちゃんと話もしたいし。」
そう井上さんは付け加えた。
その言い方に私は断れない物を感じた。
「…はい。」
私は井上さんとこないだの和食店で待ち合わせをすると、そのまま家を飛び出した。
もう一度会社に行くみたいだ。
朝に通る裏道とは随分違う感じがする。
私は車の中で何回も深呼吸をする。
井上さんにちゃんと伝えなきゃ…。
それだけが頭の中を駆け巡る。
そうしないと恵太ともちゃんと向き合えない。
もう、この気持ちを止める事は出来ないんだから。
店に着くと、もう井上さんは先に来ていた。
「新田さん。」