私の思い~きっかけとタイミング~
「美紗~。」

戻ってきた私に恵太は呆れたように溜息をつく。

あれから10分ほど過ぎている。

「何?」

私はこれでも精一杯早く戻ってきたつもり。

「遅い。」

恵太は案外と短気なのかもしれない。

「これでも頑張って来たんだよ。」

私は恵太に反抗する。

「…美紗は俺をイライラさせたいの?」

もう、面倒くさい男だな…。

「そんなつもりはないけど、恵太がイライラするのなら私は帰る。」

私はそのまま家に戻ろうとする。

「美紗!」

慌てて恵太は私の前に立ち、そして両手を広げて遮った。

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