私の思い~きっかけとタイミング~
ホッとした。
キッチンで片づけをしていると、後ろから恵太が私の腰に腕を回す。
「恵太、今お皿を洗っているから…。」
あともうちょっとなのに。
「早く終わってよ。一人は寂しい。」
同じ空間に居るのに寂しいって…。
私は最後の1枚を洗うと手を拭いて、恵太の方を見る。
一瞬驚いて恵太の腕が緩んだ。
そして私は恵太の腕をすり抜ける。
「こら、美紗。逃げるな。」
私達は声をあげて笑う。
私はソファに座ろうとして、恵太に腕を掴まれた。
するとそこで恵太のスマホが鳴った。
私達は目を合わせる。
恵太は溜息をつくと、スマホに出た。