私の思い~きっかけとタイミング~

もやもやしながらも、何とか仕事を終えて、今日もいつも通り車で帰る。

気分は最悪だ。

それが綾子さんに伝わったみたい。

「くれぐれも気を付けて帰ってね。」

そう声を掛けられた。

そんな綾子さんに私は手を振ると、車に乗った。

田舎なので、うちと会社の通勤はいわゆる裏道を使う。

ほとんど信号がなくて、すいすいと走れる。

ストレスが溜まらなくて、気に入っている。

でもその代りに、所々で道幅が狭くなっている所がある。

そこで向こうからの車と遭遇すると、どちらかが譲る形ですれ違う。

「そう言えば…。」

こんな田舎の裏道だ。

朝同じ時間に家を出れば、大抵同じ場所で同じ車と遭遇する事になる。

夜はさすがにみんな帰る時間がまちまちだから、そんな事はないけれど。
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