私の思い~きっかけとタイミング~
「もうどこにも行かないで、俺のそばにいて。ずっと。」

そういう恵太の声がよみがえる。

「あれさ、本当は半分プロポーズだったんだけどな。」

恵太の声は震えているように聞こえた。

「え?」

私は驚いた。

「美紗、真面目に聞いてくれ。もう少し時間をかけても良い。いろいろ遠回りをしたって構わない。でも俺のそばから離れて行かないでくれ。美紗の思いは頑張って受け止めていくから。」

私は目を見開いた。

ああ、この人はどれだけ私に優しんだろう。

嬉し過ぎる…。

「俺が先に美紗に惚れちゃったんだから、仕方がないと思っている。でももう美紗無しの生活は考えられない。」

私は鼻の奥がツーンとした。

涙が出そう。

「まずは一緒に住もう。そしてお互いをもっと理解しよう。」
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