私の思い~きっかけとタイミング~
美紗side
私が恵太のマンションに戻って来ると、一台の車が止まっていた。

よく見ると助手席に綾子さんが座っている。

どこかで見たことがあると思ったら、一登さんの車だったんだ。

私は荷物を持って、綾子さんが座っている助手席の窓をたたいた。

綾子さんは車を降りる。

「あら、美紗ちゃんはうちに帰っていたの?何、その荷物?」

綾子さんはふんわりと笑った。

「ちょっと訳があって…。」

私がそう言うと、あの彼女がマンションから出て来た。

私の顔を見ると立ち止った。

「あなたが現れなければ、森崎先生に私の思いが通じたかもしれないのに。」

いきなりそんな事を言われたって…。

横で綾子さんが驚いている。

「ねえ、あなたは恵太君とどんな関係なの?」

さすが、綾子さん。
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