私の思い~きっかけとタイミング~
綾子さんの方を見ると、一登さんがその横に立っていた。

「…しょうがないじゃないか。俺はそんな美紗が良いんだから。」

私はおずおずと恵太の顔を見上げる。

「ごめんな。どんなに早く津田の気持ちを聞いていたとしても、俺は津田の思いには答えられない。それは例え美紗と出会ってなくてもだ。」

恵太は津田さんに語り掛けるように話す。

そして恵太は優しげに私に笑いかけた。

「でも出会ってしまったんだ。俺達…。」

恵太は私の頬にキスをする。

こら、津田さんの前で何するんだ…。

津田さんは私を明らかに睨んでいる。

「津田には分からない魅力が美紗には有るんだよ。多分それは俺にしか分からない。」

恵太の言葉を聞くと、津田さんの目から涙がぽろぽろとあふれた。

こんな時に不謹慎だけど、この可愛い泣き顔に惚れない男の人がいるんだろうかと思ってしまう。

そんな思いで恵太の顔を見る。
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