私の思い~きっかけとタイミング~
一登さんが口を開いた。
「本当に恵太、あいつに何か気を持たせるような事はしてないんだろうな。」
一登さんは恵太を見る。
「絶対そんな事はしていない。俺はこっちに帰ってからは美紗一筋だ。」
は…、恥ずかしい。
私は思わず顔を手で覆ってしまった。
「…だってよ~、美紗ちゃん。」
茶化すように綾子さんが言った。
本当にこの夫婦は…。
でもここに綾子さん達に居てもらって良かった。
私と恵太だったらどうなっていたか。
本当に津田さんの機嫌を損ねて、ストーカーにしてしまったかもしれない。
そんな事、お互いに不幸だ。
「遅くなったけど、ランチに行こうか。」
綾子さんがふんわり笑う。