私の思い~きっかけとタイミング~
不思議な人だ、綾子さんは。
一登さんじゃなくても、綾子さんの魅力は分かるような気がする。
素敵な夫婦だ。
山本先生夫婦に負けていない。
「美紗。」
名前を呼ばれて、私は恵太の方を見る。
「俺を信じてくれる?」
まだまだ心配そうな恵太の表情。
「うん、大丈夫みたい。」
私は恵太の心配を吹き飛ばすように笑う。
「でもこれで俺の心配が分かっただろう。」
ん?
「美紗の上司の事。」
そう言うと恵太は一登さんの車に乗り込んだ。
私はその姿にクスリと笑った。