私の思い~きっかけとタイミング~
そして二人でソファに座る。

私の荷物は玄関におかれたまま。

二人で見つめ合う。

二人とも適当な言葉が見つけられないと言うのが本音だった。

しばらくして恵太が口を開いた。

「…美紗。俺達は距離を置いた方が良いのかな…。」

全く思っていなかった恵太の言葉に私は驚いた。

「それは別れるって意味?」

震える声でそれだけを言うのが今の私の精一杯だった。

「美紗はそんなに簡単に別れるって言葉を使えるんだ。」

とてもとても冷たい恵太の声。

もう私は恵太の顔が直視出来なかった。

この声と同じような冷たい表情を恵太がしていたら、私は立ち直れない。

心が泣いている…、私はそう思った。

どうしたらいいのか分からない。

< 339 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop