私の思い~きっかけとタイミング~
「俺と一緒に居る事で新田さんが笑っていられるなら、それを君が望んでくれるなら、俺は君をさらって行くよ。」

私はポカンと口を開けていた。

そして顔が赤くなった。

何言っているんだろう、この人。

でも、今はその言葉がとっても嬉しい。

こんな風に真っ直ぐ井上さんが気持ちをぶつけてくれるなんて、初めてだ。

「実は、これは俺の最後のチャンスなんだ。」

フッと井上さんは息を吐いた。

「今週末に向こうに引っ越しをする。つまりは来週から本社に出勤だ。」

ニッコリ井上さんは笑った。

「どうする?新田さん。ここで答えを出してほしいな。」

私は井上さんに迫られている。

でも…、やっぱり心に浮かぶのは恵太の顔。

私は…。

「結論は出たみたいだね。」

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