私の思い~きっかけとタイミング~
私は恵太を窘める。
すると恵太はじろりと私を見る。
「あの上司の所か?」
何だか話が見えない。
私は目を丸くする。
そんな私を抱き寄せた恵太はこう言った。
「行くなよ。あんな奴にお前は渡さない。」
えっ、ええ~?
「ちょ…、ちょっと恵太、何を言っているの?」
私は手で恵太の胸を押す。
怪訝そうに私を見る恵太。
「私の引っ越し先はあなたの家のはずなんだけど。」
冷静な声で私は言う。
「何を言っているんだ。転勤する上司について行く気なんだろう。」
今度は恵太が驚いている。