私の思い~きっかけとタイミング~
はっ?
何をどさくさに紛れて言っているんだ、この人。
「どう?」
自分の魅力を知り尽くしているような笑顔をまた私に向けた。
すいません、井上さん。
それは私には全く効かないですよ。
私は心の中で思った。
「今日は病院に行かなくてはならないんです。」
私は余裕たっぷりに微笑んだ。
「そう、どこか悪いの?」
ひるむ事もなく、井上さんは言葉をつないだ。
「まあ…。でもそう言う事ですので。」
病院に行く理由なんて、話す必要はない。
私は即座に立ち上がると、小銭を拾い集め、井上さんに渡した。
その状況に井上さんは苦笑いをする。