私の思い~きっかけとタイミング~
「美紗があいつの所に行ってしまうんじゃないかと思った…。」
そして切なげに私を見つめる。
「美紗、やっぱり俺には美紗が必要なんだ。そばにいてくれ。」
そして私の額にキスをした。
「だから、私の引っ越し先は恵太の家だってば。」
私は恵太の首に手を回した。
「恵太が嫌だって言ったって、居ついちゃうんだから。」
ああ、恵太の匂い。
今まではそれほど意識していなかったけど、離れて過ごしてみて、私はその心地良さを身体全体で感じる。
恵太の手が私の腰に回る。
その時ドアのチャイムが鳴った。
今度こそは引っ越し屋さんだろう。
私達は慌てて離れた。
荷物が積み終わると、恵太は引っ越し屋さんのトラックを先導して、先に私の家を出た。