私の思い~きっかけとタイミング~

「だから戻って来たの、私。」

恵太の顔に笑顔が広がる。

「お帰り、美紗。」

今度は恵太が私にキスをしてくれた。

「本当はね、もっと早く連絡するつもりだったの。でもタイミングが悪くて…。井上さんと話した後で、綾子さんには恵太に会いに行くって宣言してから、かなり時間が経っちゃった。」

私はそう言って笑った。

「一登の電話はそう言う事だったのか…。」

私は不思議に思って、恵太に聞いた。

どうも仲直りをしたと思った一登さんが、恵太にわざわざ電話をして来たみたいだ。

「一登は仲直りをしていなかった俺達に驚いて、あの上司の話を出すことによって、俺を焦らせたんだ。」

恵太は苦笑いをする。

「一登はおせっかいだけど、本当に俺の事をよく分かっているよ。」

そうポツリと言った恵太に、私も言う。
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