私の思い~きっかけとタイミング~
だから、いろいろと節約するためにお弁当を手作りしている。
一人暮らしは自由もある代わりに、自分の事を当然自分でしなければならない。
実家に居る時に感じなかった親の有りがたさ。
それが分かっただけでも一人暮らしをしている甲斐があるような気がする。
もちろん普段綾子さんもお弁当持参だ。
結子ちゃんのお弁当の残りを詰めていると笑っていた。
でも綾子さんみたいに、家族が出来たら大変だよね。
自分よりも家族を優先させるなんて、私に出来るのかな。
そんな事を考えているうちは、結婚なんて無理かも。
昼休みが終わったら早目に仕事に取りかかろうかなと考えながら、お弁当箱を片付けた。
「新田さん。」
またまたこの声は…。
「井上さん、どうしました?まだ昼休みですよ。」
私は失礼にならない程度にそう言う。