私の思い~きっかけとタイミング~
昼休みぐらいゆっくり休ませてほしいという思いを裏に隠して。

「今外回りから帰って来たんだ。」

そう言って井上さんは笑う。

「お疲れ様でした。」

私は型通りの挨拶をした。

「新田さん、俺は君に嫌われるような事をしてしまったのかな?」

しまった、私の言葉に嫌味を感じさせてしまったかな。

「いえ、どうしてですか?」

私は怪訝そうに聞いた。

「どうやら俺は君に避けられているようだから。この会社の女性で食事に誘って断られたのは初めてだった。」

やっぱりモテる男は違うな。

「どうして本命だけに断られるんだろう。」

そう言って井上さんは苦笑いをする。

何気に言った言葉かもしれないが、これは明らかに告白では…?

私はなるべく冷静にチラリと井上さんを見る。
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