私の思い~きっかけとタイミング~
照れくさかったので、そのまま車を発進させてしまったが、あの調子だと恐らく俺の事は誰だか分かっていないだろう。
何故だかとっても悔しい。
俺はかれこれこの裏道を使い始めた一年ほど前から、彼女の…というより、彼女の車の存在に気が付いていた。
何故か一番狭くなっている場所で出くわす軽自動車。
運転はかなり上手だと思う。
俺が勢いに任せて突っ込んでしまっても、上手にすれ違ってくれる。
俺はこの病院に来るまでは、都会にいたから車を運転する必要がなかった。
しかし地元の総合病院でCT技師の欠員が出たため、こちらへ戻って来た。
運転免許は持っていたが、ほとんどペーパードライバーだった俺は初めの頃は苦労した。
ましては田舎の裏道だ。
こんな狭い所を走るとは思っていなかった。
広い道は当然時間がかかる。
総合病院は立地条件が良い為、周辺は毎朝渋滞だ。