私の思い~きっかけとタイミング~
はっきりと井上さんはそう言った。
あまりに真っ直ぐな言葉に、私は思わずたじろぐ。
私が口を開こうとすると、井上さんは手でそれを制した。
「新田さんが俺の事を何か悪い印象を持っている事は分かっている。でも俺はそれに心当たりはない。」
そうだろうという顔を井上さんは私に向ける。
「周りの噂や評価じゃなく、新田さん自身がちゃんと俺を見て判断して欲しい。それも無理なのか?」
真剣な顔の井上さん。
「俺はちゃんと新田さんを見ているよ。」
私はやっぱりまじまじと井上さんを見つめる。
「時間がないんだ。チャンスだけはくれよ。」
私は違和感を感じながら、何も言えなくなってしまった。
確かに私の中で井上さんに対する印象は、曖昧なものだ。
モテると言うだけで避けていると言われても否定出来ない。
そこへ和定食がやって来た。