私の思い~きっかけとタイミング~

私は少し不機嫌になりながら、会社まで急いだ。

「それでいつレントゲンの再検査に行くの?」

会社に着くと、綾子さんが聞いてきた。

「今日の仕事が終わったら行きます。だから残業なしでお願いします。」

私はわざと明るい声で言った。

「やっぱりそういう事は、早い方が良いわよね。」

ふんわりと笑う綾子さんは、本当にきれいな人だ。

とても中学校に上がったばかりのお子さんが居るようには見えない。

私より2つ先輩なだけなのに。

私達はこの物流会社で総務をしている。

支店なので、二人で総務の仕事のほとんどを取り仕切っている。

だから仕事はお互いフォローし合う。

綾子さんと仕事を一緒に出来て良かった。

本当にそう思っている。

おっとりしていながら割と腹の座っている綾子さんと、はっきりしているように見えて、考えすぎてなかなか動けない鈍い私。

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