私の思い~きっかけとタイミング~
それに口に手を当てて、言いすぎたという顔をする綾子さん。
「ごめん、美紗ちゃん。」
ここで謝られたら、本当にそう言ってたみたいに誤解されるよ。
私は慌てて否定しようとした。
しかしその前に井上さんが口を開いた。
「俺は俺の事を嫌っている人に告白してキスをしたってわけだ。」
何気に言った井上さんの言葉に私と綾子さんは即座に反応する。
「井上さん!」
思わず叫ぶ私の声に、綾子さんの声が被った。
「井上さん。やりますね。」
井上さんと綾子さんは顔を見合わすと、ニヤリと笑い合った。
「俺、これからは攻めていこうと思って。この方法はどうだと思う?杉浦。」
綾子さんに同意を求めるような言い方をする井上さん。
「私は初めから井上さんの味方ですから。頑張って下さいね。」
綾子さんは嬉しそうな顔をした。