私の思い~きっかけとタイミング~

それに口に手を当てて、言いすぎたという顔をする綾子さん。

「ごめん、美紗ちゃん。」

ここで謝られたら、本当にそう言ってたみたいに誤解されるよ。

私は慌てて否定しようとした。

しかしその前に井上さんが口を開いた。

「俺は俺の事を嫌っている人に告白してキスをしたってわけだ。」

何気に言った井上さんの言葉に私と綾子さんは即座に反応する。

「井上さん!」

思わず叫ぶ私の声に、綾子さんの声が被った。

「井上さん。やりますね。」

井上さんと綾子さんは顔を見合わすと、ニヤリと笑い合った。

「俺、これからは攻めていこうと思って。この方法はどうだと思う?杉浦。」

綾子さんに同意を求めるような言い方をする井上さん。

「私は初めから井上さんの味方ですから。頑張って下さいね。」

綾子さんは嬉しそうな顔をした。
< 75 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop