私の思い~きっかけとタイミング~
恵太side
やったぞ。

あんな事しか言えなかったけれど、これで彼女の警戒は解けただろう。

恥ずかしくて、彼女の反応は確かめられなかったけれど。

でもあんなに緊張するとは思わなかった。

声も上ずっていたに違いない。

俺は知らず知らずに顔が緩んでいたようだ。

「おはようございます。どうしたんですか?朝からだらしない顔してますよ。」

笑いながら津田が俺をからかう。

後輩の癖に生意気な奴だ。

「ちょっと良い事があってな。」

俺はにこりと笑う。

「そうですか。そう言えばつい先日時間外で胸部CTを受けられた方のカルテが回って来たんですけど、もう説明済で処理して良かったんですよね。」

ん?

それはもしかして…。
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