いきなりプリンセス



しばらく笑いをこらえるのに必死で、2人が何を話してたか聞こえなかった。



お兄ちゃんは呆れ顔。



なんだか…家に戻ったみたい。



「そろそろ舞踏会が始まる時間じゃなくて?」



「うむ、そうだな…」



家並みの夫婦万歳を繰り広げたあと、真剣な表情にもどる。



「ユナ…いらっしゃい。」



「…なぁに?」



「今日は大事な方に会わせる。礼儀正しくな。」


大事な方…って、カリニャとかいう国の王様と王子様?



はいはい、大丈夫。



外面は完璧な娘ですので。



「もう、お待ちかねだ。」



「ユナ、頑張れよ。」



何を?



意味深な笑みを浮かべたお兄ちゃんに肩をポンと叩かれた。



頑張れよって…ダンスか?



そうだ…ダンス!!



踊れないよぉぉ!!



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