いきなりプリンセス
『失礼いたします。』
「ん…イベリスか…なんだ?」
なにかごちゃごちゃ話すお父さん達に割って入るように、カーテンの向こうからイベリスが来た。
あっち側って…入れるんだ…
「陛下、来客の皆様がお待ちです…そろそろ…」
イベリスはひざまずくようにしてお父さんに話す。
わ…なんか…お父さんが偉い人に見える!
「息子に構わず始めてくれ。」
「そうか…では、始めるとしよう。」
あぁぁぁ…ついに…
カーテンをくぐる…
そこに広がったのは、ありえないくらいの広い部屋…ホール?体育館?
天井から床まで金ピカで、目がチカチカする…
《ワァァ!!》
私達が出たとたん、すごい歓声に包まれた。
…ほぇぇ~!!なんじゃこりゃ…
私の格好も相当だけど、みんなも負けず劣らず…
貴族とか…そういうたぐいの人達なのかなぁ…
限りなく、こっちの方が庶民だよ…
指定された椅子に座る。
この椅子……ふかふか♪
「では、始めようか。」
《パンパンッ》
誰かが手を叩いて、ホールの右端にズラッと並んだオーケストラが音楽を奏でる。
みんな……踊ってるぅ!!