いきなりプリンセス
「いっ……」
あぁぁ…足が…靴擦れがぁぁ!!
そんな私をよそに、音楽は止まる気配がなかった。
うぅぅ…痛い~!!
《ザワザワ》
あれ…?
まだ曲は流れているのに、リュウの動きが止まった。
「あ…の?」
何?
まさか、バレた…?
「うきゃ!!!?」
動きが止まったかと思ったら、私を抱えて歩きだすリュウ…
これがホントのお姫様だっこってやつ?
って…んなこと考えてる場合じゃない。
「あの…あの!?」
「………」
シカトか!!
どこに行くんだい、お前さん…
無言のまま、ホールを出る私とリュウ…
《ザワザワ》
ギャラリー達も何が起きたのかわからないみたいで、呆気にとられている。
ーーーーお父さんたちはというと…
「ほぅ…ユナさんを気に入ったようですな。我が息子は。」
「あの話…進めてしまおうか…」
「ユナ…やったわねぇ~♪」