ねぇ、聞いて。




病院に着くなり太陽はすぐに緊急手術室に運ばれた。


どれだけの時間がたったんだろう。


1秒1秒が長すぎて私は太陽を失ってしまう恐怖と戦っていた。


頭がズキズキするけどそんなの気にしてられない。ただひたすら両手を合わせて願い続けた。



緊急手術室のランプがパッと消えた。


中から医者が出てきた。


「大丈夫です。命に別状はありません。」


その言葉にホッとしたけど、医者の話にはまだ続きがあった。




「数ヶ月前までは非常によかったんですが、ここ最近、急激に悪化しています。
『急性腎不全』です。」




「「急性腎不全?」」


慢性腎不全じゃないの?


「急性腎不全は慢性腎不全と同じ腎臓機能が低下する病気です。

しかし、慢性腎不全は数ヶ月から数年かけて悪くなっていくものですが、

急性腎不全は数日…場合によっては数時間で悪くなります。」


え…


うそ… あんなに頑張ってきたのに…


「いつどうなってもおかしくない状態と言っても過言ではありません。余命は一週間と見てもいいぐらいです。」


心に大きな穴が空いた気がした。










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