ねぇ、聞いて。
「そん、な…」
横で涙を流して震えるママとは別に私は恐怖で涙すらでなかった。
「先生…私、死にますか?」
自分でも声が震えているのが分かった。
田中先生は悔しそうな顔をした。
「喉に引っかかるって違和感を覚える症状が出たときには、もうだいぶ進行しているんだ。
良性にかけてみようと思ったけど悪性のがんだった。
今すでに、末期寸前の状態です。」
クッと食いしばって離す田中先生。
私の感情はどこかに消えていた。