ねぇ、聞いて。
「あの…筧さん。
私たちまだ何もしてないし聞いてもらってもないんですけど…」
私がそう聞くと筧さんはまた笑い出した。
「そんなのいいよ。前聞いたし
バンドのわりに演奏もそこそこよかったし、
どうせCD出すなら、デビューした方がいいでしょ?
何より」
筧さんが私に向かって指を指した。
「魅音ちゃんの声わ本物だからね!」
私の…声…
本当にデビューするの?
病気なのに?
いつ歌えなくなるか…
いつ死ぬかも分からないのに…
いいのかな…