ねぇ、聞いて。




ベースケースを片手に家に上がり込んで来た愛美。


私の前にベースを突き出して


「お供します!バンドができるね!」

何て言って、嬉し涙をためて1番の笑顔を見せてくれた。




学校では、授業もろくにうけてない。

後ろの席で四人固まって盛り上がっているだけで、騒がしい私達。


どこからどう見てもバンド何てやってそうに見えない私と愛美。


だから誰にも言っていない。


それにバンドと言ってもギターとベースだけで成り立っているちっぽけなバンドで


梨咲も流莉も知らない。



それに私のママが『Rio』だって知っているのも、愛美とやまっちと海夏(みか)ちゃん
(愛美ママ)ぐらいだ。


あと、白波高校の理事長も。








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